紫外線治療 (エキシマライト光線治療法)
エキシマライト光線療法とは?
紫外線治癒は紫外線の免疫抑制作用を利用して、皮膚疾患を鎮静化させる治療法です。中波長と言われる波長が290〜320nmのUVBが使用される事が多かったのですが、さらに「ナローバンドUVB」と言われる波長を絞った紫外線が通常のUVBよりも効果が高く、使用されています。
<エキシマライトの308nmがこれと同等の効果が期待できます。疾患の面積が広範囲になった時や、薬品塗布では効果が弱い時などに使用されている有効な光線療法です。 従来の紫外線療法で改善しにくかった皮膚疾患や難治の患者様、治療方法が少ない皮膚疾患にも効果があり、安全性も高いです。
エキシマライト光線療法を行う疾患の種
尋常性白斑
お肌の色を決める事に関わっているのがメラニン色素です。そのメラニン色素を作る細胞であるメラノサイトが消失し、白斑が生じます。
免疫系や神経系がメラノサイトに影響するのが原因とされています。従来の治療では効果が見えにくい難病とされている為、治療を諦めてしまう患者様も多い皮膚疾患ですが、エキシマライト治療法は治療を断念してしまった患者様にこそおすすめの治療法です。
尋常性乾癬
乾癬は、症状により様々な治療法がありますが、広範囲に発症していたり、症状が重症な患者様にはエキシマライト治療法がおすすめです。免疫抑制薬などの治療がありまさが、副作用もあります。
しかし、エキシマライト治療法は投薬や塗り薬では効果が弱い患者様に対し、有効で副作用も少ないのでより効果的な治療をしたい方におすすめしています。
掌蹠膿疱症
掌蹠膿疱症とは、手のひら、足の裏に小さいニキビや水ぶくれのような嚢胞が生じる皮膚疾患です。原因不明な事が多く、他人にうつることはありません。塗り薬では効果が見えにくい場合が多いので、エキシマライト治療法で治療効果を高めます。
円形脱毛症
円形脱毛症は、精神的なストレスや疲労などが原因で脱毛してしまう皮膚疾患です。様々な症状があり、単発、多発など範囲や頻度も人により異なります。治療法も症状によって様々ありますが、免疫系の疾患でもある為、免疫調節作用の高いエキシマライト治療法は有効です。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、皮膚に紫外線の一部の波長を当てる事で症状を鎮静化させます。アトピー性皮膚炎は塗り薬やステロイド剤での治療が行われていますが、症状が発生してからの塗布薬の治療では効果が見えにくかったり、長期化する事も多いので、皮膚自体の免疫力を高める治療として効果的です。強い痒みのある部分だけに照射する事ができ、痒みを抑えるのに有効です。
結節性痒疹
結節性痒疹は強い痒みを伴う、丘疹や結節が多数生じる皮膚疾患です。掻きむしり傷ができたり、結節が硬くなる事があります。ステロイド剤の塗布では効果が見えにくく、長期化したり強い痒みが続く事が多いので、エキシマライトでの治療は効果的です。
他、悪性リンパ腫、菌状息肉症にも効果が認められますが、まず病院皮膚科での精査・治療を勧めています。
治療の方法、頻度
エキシマライト治療法は、副作用も少なく安全性が高い為、多くの皮膚疾患に有効です。
治療方法は週に1〜2回程度、エキシマライトを照射します。1箇所2〜10秒の照射時間なので短時間です。
病変部が広範囲の場合はずらしながら照射していきます。
効果が確認できれば、1〜2週間に1回程度で維持していきます。疾患の状態や個人によって照射回数が変わります。痛みはなく当日から入浴も洗顔も可能です。定期的に照射する事で効果を高めていきます。肌質や症状、範囲により一時的に赤みやヒリヒリが生じる事がありますが、翌日には引くので長続きはしません。稀に肌質により一時的な色素沈着が起こる場合があります。
照射回数が増えると、稀に紅斑が照射部位に現れる事がありますが、副作用、効果のバランスを見ながら調節して治療を進めていきます。 当院では、ターゲット型のエキシマライト治療器を使用しています。
光線治療のメリット
・副作用が少なく効果が高い。
・比較的安心の料金で治療が可能。
・保険適応の疾患が多い。
・外用薬や内服薬では効果が見えにくい時に有効。
・難治の皮膚疾患にも効果が見える。
光線治療のデメリット
・週に1.2回など頻回の通院が必要。
・日焼け様やけどや色素沈着、肌の光老化になる可能性がある。