かぶれ・金属アレルギー
かぶれ(接触性皮膚炎)とは?
かぶれ(接触性皮膚炎)とは、原因となる物質(アレルゲン)が触れた部分や、繰り返し触れる事が原因で、強い痒みや赤みが発症する皮膚疾患です。
アレルゲンが触れていない部分や全身に症状が広がる可能性があり、一度発症すると症状が治っても同じ原因で再発します。赤みやかゆみだけでなく、ヒリヒリしたり水ぶくれや丘疹が発症するケースもあります。
かぶれ(接触性皮膚炎)の原因
かぶれ(接触性皮膚炎)の原因は身近にある物が原因物質になり得ます。普段、問題なく使用している物でも繰り返し使用していく事で発症するケースもあります。
主な原因物質
- 植物
- ウルシ、ヤマハぜ、ブタクサ、ドクダミ、イチョウなど
- 金属
- ニッケル、マンガン、コバルト、クロムなど
- 化学物質
- 洗剤、シャンプー、ゴム製品、手袋など
- 化粧品
- 口紅、リップクリーム、ファンデーション、マニキュアなど
- 衣類
- 下着、靴下、ニット、繊維など
- 果実、野菜
- 桃、パイナップル、マンゴー、里芋、しそなど
- 医薬品
- 湿布、目薬、抗生物質、痛み止めなど
かぶれ(接触性皮膚炎)の症状
原因となる物質に触れた部分にかゆみ、赤み、丘疹が出たり、水ぶくれができ、じゅくじゅくするケースもあります。最初は狭い範囲でも広がる事もあり、原因物質が触れた部分以外に広がる事もあります。強い痒みを伴うので、長期間続くと皮膚表面がガサガサしてきたり、掻きむしり続けた部分は色素沈着を起こす事もあります。
かぶれ(接触性皮膚炎)の種類
かぶれ(接触性皮膚炎)の種類は主に分けて3つあります。
1. 刺激性接触皮膚炎
刺激性接触皮膚炎は、主に化学物質が触れた事が原因で発症します。通常、皮膚はバリア機能によって守られていますが、バリア機能を超える程の強い刺激により発症します。原因である物に触れた直後だけでなく、僅かな量でも繰り返し触れ続ける事で許容範囲を超えると、数日〜数週間して発症するケースもあります。
2. アレルギー性接触皮膚炎
アレルギー性接触皮膚炎では、合成洗剤や化粧品、金属や植物、動物、医薬品などに反応して発症します。体の免疫機能が異物だと認識した場合に反応し、アレルゲンとなる物質がある人に多く発症します。 身の回りにある物でも突然発症する事があります。
3. 光接触皮膚炎
光接触皮膚炎とは、日光による紫外線が原因となり引き起こされる皮膚炎です。
かぶれ(接触性皮膚炎)の予防・治療法
かぶれ(接触性皮膚炎)は、何が原因でかぶれが発症したのか原因が分かれば避けて生活する事が1番の予防法です。 何かに触れた事が原因で同じ場所がかぶれた場合は、それが原因と考えやすいです。
かゆみが強い事が主な症状ですが、掻きむしる事で症状が悪化したり、広がる可能性が高いので、かぶれの疑いがある時は早めに皮膚科を受診しましょう。原因や症状の種類を問わず、ステロイド外用薬での治療が一般的です。かゆみをおさえるのには抗ヒスタミン薬が有効です。
我慢できない程の痒みが起こるケースもあり、生活にも支障をきたすので、外用薬での治療がおすすめです。光接触皮膚炎の場合は、紫外線がきっかけで発症するので、日傘や帽子、日焼け止めを使用して紫外線対策を念入りにしましょう。
金属アレルギーとは?
金属アレルギーとは、金属が原因で引き起こされるアレルギー反応による皮膚炎の事です。今や日本人の10人に1人は発症していると言われる程、身近なアレルギーと言えます。赤みや強い痒みが起こり、酷くなると水ぶくれや湿疹が広がります。近年、金属アレルギーを起こす人が増加している傾向にあり、アクセサリーで反応を起こす人が多くなっています。
金属アレルギーの原因
金属アレルギーを起こす原因として多いのが、金属そのものに触れた事によるアレルギー反応と、金属そのものではなく、汗と金属が反応する事で反応が起こる場合があります。金属アレルギーも、花粉などの他のアレルギーと同様に、体内に侵入する量が許容範囲を超える事で免疫機能が反応し、拒否反応を起こすことで発症します。
金属アレルギーを起こしやすい素材
ニッケル、コバルト、クロム、パラジウム、アマルガム、スズ
金属アレルギーを起こしにくい素材
金、プラチナ、鉄、亜鉛、マンガン
金属アレルギーの症状
金属アレルギーの症状として多く見られるのが、金属に触れた部分に赤みや痒みが発症する事です。金属に触れた直後に反応するケースや、数日経ってから現れるケースがあります。
痒みが強い事が特徴なので、気に入っているアクセサリーであっても症状が出たら付け続けずに、すぐに外しましょう。付け続ける事で症状が悪化したり、範囲が広がります。軽度の赤みや痒みから、進行すると水ぶくれや発疹が出る事もあります。
金属アレルギーの種類
金属アレルギーは症状や原因により2種類に分けられます。
1. 接触皮膚炎
金属が直接皮膚に触れた事により起こるアレルギー反応です。主にアクセサリーを付けた時にその部位や周辺に赤みや痒みが広がります。普段は問題なく使用しているアクセサリーでも夏場に汗をかく事で発症するケースも多いです。
2. 全身性金属皮膚炎
全身性金属皮膚炎は、歯科治療により使用される金属が口の中で粘膜や消化管を経由し、全身に起こるアレルギー反応です。
金属アレルギーの予防・治療法
金属アレルギーは、アレルギー症状の中でも、花粉症などと同様に身近にあるアレルギーです。元々がアレルギー体質でなくても発症しやすいアレルギーの1つと言えます。
金属アレルギーの疑いがある場合には、皮膚科で行われるパッチテストで、どの金属に反応するのかを特定することが大切です。自分が何の金属にアレルギー反応をするのかを知れば避ける事ができます。
金属アレルギーによる赤みや痒み、丘疹、水ぶくれが発症している場合にはステロイド外用薬の使用と、抗ヒスタミン薬の内服で症状を抑えていきます。一度発症すると、同じきっかけで再発する事が多いので特定できている原因の物質を避けて生活しましょう。