ニキビ治療・アトピー治療なら大阪なんば、心斎橋の桜川よしえクリニックへ|アトピー

06-4392-8388

美容皮膚科サイトはこちらから

WEB問診票

アトピー性皮膚炎について

出典 大鵬製薬工業株式会社 2018年12月 出版
「知っていますか? アトピー性皮膚炎」より

アトピー性皮膚炎とは?

アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が悪化・改善をくり返す疾患です。

患者さんの多くは、アレルギーを起こしやすい、皮膚が乾燥して皮膚の防御機能(バリア機能)が低下しやすい、といった体質(アトピー体質)をもっています。
まだ、完全には明らかになっていませんが、アトピー体質をもっている方がアレルギーを引き起こす物質 (アレルゲン)との接触や皮膚へ刺激などを受けると、アトピー性皮膚炎を発症すると考えられています。

正常な皮膚 / バリア機能が低下した皮膚

そのほか、金属アレルギーや食物アレルギー、精神的・肉体的ストレスなども関係しているといわれています。
かゆみのある湿疹をかきむしると一時的に気持ちよくなりますが、かき破ると炎症が悪化し、さらにかゆくなってしまうという悪循環が起こります。

かゆみの悪循環

よりよい皮膚の状態を目指して
~適切な治療を根気強く~

アトピー性皮膚炎は乳児期・小児期に発症することが多く、重症度はさまざまです。大人になっても症状が続くケースもあれば、年齢とともに快方に向かうケースもあります。アトピー性皮膚炎の炎症を速やかかつ確実に沈静化し、症状がコントロールされた状態を長く続けることができれば、いずれは治る可能性もあります。アトピー性皮膚炎の治療の目標は「症状がない、あるいは軽度で日常生活に支障がない状態をできればスキンケアのみで長期間維持すること」です。アトピー性皮膚炎をすぐに治すことは難しいですが、適切な治療を根気強く続けることが大切です。

治療の目標

症状がない、あるいは軽度で日常生活に支障がない状態をできればスキンケアのみで長期間維持することが治療の目標になります。

アトピー性皮膚炎の治療の3本柱

  • 薬物療法
  • スキンケア
  • 悪化因子の除去

薬物療法

現時点で、アトピー性皮膚炎の炎症を十分におさえられると考えられている薬剤は、ステロイド外用薬とタクロリムス軟膏です。そのほか、皮膚の状態を保つための保湿外用薬や、かゆみをおさえる抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬などが一般的に使われます。

アトピー性皮膚炎の標準的薬物療法

アトピー性皮膚炎の重症度

1. 外用薬

外用薬は、皮膚の炎症をおさえることを目的としたものと、皮膚の保湿と保護を目的としたものに分けられます。

皮膚の炎症をおさえる外用薬

アトピー性皮膚炎の治療では、皮膚の炎症を早く確実におさえることが大切で、ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏がアトピー性皮膚炎の治療の基本となります。

ステロイド外用薬とタクロリムス軟膏の特徴
ステロイド外用薬 タクロリムス軟膏
しくみ 人間の体内にある副腎皮質ホルモン体の1つである糖質コルチコイドの構造をもとにしてつくられた薬剤。
この中のコルチゾールが炎症をおさえる。
体の過剰な免疫反応をおさえて、かゆみや炎症を軽減する。
分類 作用の強弱でストロンゲスト、ベリーストロング、ストロング、ミディアム、ウィークの5段階に分けられる。
軟膏は、かき傷やジクジクした皮膚にも使える。
大人用と小児用がある。
ステロイドのような副作用は出ないので、長期的に外用できる。
注意点 血管拡張(皮膚が赤くなる)や皮膚萎縮(皮膚が薄くなる)などの副作用が出ることがある。
また眼に対する副作用(緑内障)にも注意が必要である。
使いはじめは、刺激(ヒリヒリ、ほてり感)を感じやすい。
かき傷やジクジクしたところ、感染しているところには使用できない。
保湿外用薬

アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリア機能が低下しています。炎症 をおさえる外用薬とともに、皮膚の保湿と保護をするために毎日、保湿外用薬によるスキンケアをすることが大切です。
外用薬にはさまざまな種類があるので、体に合ったものを処方してもらいましょう。

外用薬の剤形の違いと特徴
剤形 特徴 浸透性 刺激性
軟膏 保護・保湿性に優れる。
クリーム 軟膏よりもさらりとした使用感。
クリーム かき傷やジクジクしたところはさける。
ローション クリームよりもさらにさらりとした使用感。
頭に適する。
塗り方のポイント

軟膏は皮膚にすりこむのではなく、皮膚にのせるようにやさしく塗ります。指先や手のひらを使ってやさしく丁寧に広げます。

外用薬は皮膚の表面にあるみぞに沿って塗るとムラなく広げることができます。

塗る量のポイント

軟膏やクリームは、大人の人差し指の先から第一関節までの長さ(チューブの直径が5mm程度の場合)、ローションは1円硬貨ぐらいの大きさの量で、大人の手のひら2枚分のくらいの面積に塗ることが出来ます。

軟膏またはクリームの場合 / ローションの場合

うすーく塗るの?たっぷり塗るの?...

上記の塗る量はあくまでも目安です。チューブの種類によって口径も異なりますし、気温によって軟膏の硬さも変わるので、厳密ではありません。大切なのは、たっぷり塗ることです。大人の全身に塗るためには25gの外用薬(5gチュープなら5本)が必要なのです!

2. 内服薬

アトピー性皮膚炎はかゆみが起こりやすいため、かゆみをおさえる目的で抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬が処方されることがあります。
そのほか、炎症をおさえるステロイド内服薬や免疫抑制薬(シクロスポリン)、漢方薬などが処方されることがあります。内服薬にはさまざまな種類があるので、体に合ったものを処方してもらいましょう。

※抗ヒスタミン薬には、副作用として眠気が強く出るものもあるので、日常的に乗り物の運転をする方などは医師に相談しましょう。

3. 注射薬(生物学的製剤)

アトピー性皮膚炎の治療法の多くは炎症やかゆみをおさえる対症療法でしたが、最近ではアトピー性皮膚炎の原因にかかわる 分子をターゲットにした治療薬である生物学的製剤デュピルマブ (遺伝子組換え)も登場してきました。
その他、過剰な免疫反応をおさえることを目的としたナローバンドUVBなどの紫外線療法が用いられることもあり、症状によって、これらの治療法を組み合わせてアトピー性皮膚炎の治療を行います。

スキンケア

アトピー性皮膚炎では皮膚が乾燥し、皮膚バリア機能が低下している状態であり、さまざまな刺激による炎症やかゆみが生じやすくなっています。また、アレルゲンが侵入しやすい状態になっているため、皮膚バリア機能を回復させることが大事です。

皮膚のうるおいを保つための保湿

代表的な医療用医薬品の保湿薬

  • ヘパリン類似物質含有製剤
  • 尿素製剤
  • ワセリン
清潔な皮膚を保つための入浴

  • 熱めのお湯はかゆみを悪化させることがあるので、ぬるめのお湯がよいでしょう
  • 皮膚のバリア機能を保持するために、体をこすり過ぎないように注意しましょう
  • 長時間の入浴はさけましょう
皮膚をかき破らないための爪の手入れ

  • 皮膚をかき破ってしまうと、治りにくくなってしまうので、爪を短めに切っておくことが大事です

悪化因子の除去

アトピー性皮膚炎の症状が悪化する原因は、以下のようにたくさんあります。可能な限り取り除いていきましょう。

湿度の低下による乾燥

湿度が低下していると皮膚は乾燥しやすくなり、かゆみを感じやすくなることから、かゆいところをかいて悪化してしまいます。

室内の湿度調節や、皮膚の保湿をすることが大事です。

ダニアレルゲン

アトピー性皮膚炎の患者さんでは、ダニアレルゲンに反応して湿疹が生じることが多いです。
ダニアレルゲンに反応しやすいかを判定する検査があります。

室内環境を清潔に保つことが大事です。

花粉

スギ花粉など、花粉が多く発生する時期に皮膚炎の悪化がみられる方もいます。
花粉に反応しやすいかを判定する検査があります。

花粉が皮膚に付着しないようにマスクやマフラーなどを着用するとともに、外出後の洗顔・洗髪やスキンケアが大事です。

汗による刺激や汗の成分に対するアレルギー反応により皮膚炎が悪化することがあります。

汗をかくこと自体は悪くありませんが、発汗後にシャワー浴などで洗い流すことが大事です。

接触刺激

衣類や頭髪、靴などの接触やシャンプー・リンス などの刺激が皮膚炎の発症や悪化に影響することがあります。

皮膚に対する刺激が強い化学繊維を含まない衣類の着用、髪型の工夫、洗髪時の十分なすすぎなどが大事です。外用薬の接触刺激により皮膚炎が発症・悪化することもあります。

異常を感じたら医師に相談しましょう。

精神的ストレス

精神的なストレスから、かゆいところをかきむしってしまい、皮膚炎が悪化して治りにくくなることがあります。

日常生活での不安などがある場合には医師に相談しましょう。

もっと知りたいQ&A

Q1. ステロイド外用薬を塗ると黒くなるの?怖い副作用はありますか?

「ステロイド外用薬を塗ると黒くなる」というのは誤解です。炎症が長引くと皮膚に黒い色素が生じ(炎症後色素沈着)、ステロイド外用薬を塗ることによって皮膚の炎症や赤みがおさえられると、逆に黒い色素が見えてくることから誤解されているのだと考えられます。ほとんどの場合、炎症がおさまれば徐々に薄くなっていきます。

ステロイド外用薬の主な副作用は皮膚の萎縮(いしゅく)や毛細 血管の拡張により、逆に赤みが生じることなどです。医師は副作用のことを含め、症状の強さや部位に適した外用薬を処方していますので安心してください。

90年代のステロイドバッシング

1990年ごろ、日本ではマスコミによる“ステロイドバッシング”が原因でステロイド外用薬に関する誤った情報が広がりました。その結果、アトピー性皮膚炎の患者さんの不安をあおり、ステロイド外用薬を使いたがらない、あるいは少量しか使いたくないという人が増え、皮膚症状が悪化する人が大勢いました。現在でもインターネットなどの誤った情報を鵜呑みにして、「脱ステロイド」に走ってしまう人がいます。逃げ腰でステロイド外用薬を使用することで逆にアトピー性皮膚炎が悪化して、ますますステロイド外用薬は怖いと思い、さらに中途半端な使い方になって...と悪循環におちいってしまいます。ステロイド外用薬の正しい知識を身につけて、アトピー性皮膚炎を治しましょう。

Q2. かゆみが止まらないときはどうしたらいいですか?

かゆいところをかいてしまうと、よけいにかゆくなってしまうので、難しいかもしれませんが、「かかないこと」が大切です。かゆみをおさえる抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬が有効です。寝ているときにかかないようにするために、長そで・長ズボン・手袋を着けるという方法も有効な場合があります。そのほか、氷で冷やすことも有効な場合があります。
どうしてもかゆみが止まらない場合は医師に相談してみましょう。

Q3. 保湿は必要ですか?

湿疹のまわりは炎症により皮膚バリア機能が低下し、刺激を受けやすい状態になっています。湿疹を悪化させないために、そしてよくなった皮膚を維持するために、保湿外用薬を毎日欠かさず塗ることも大事です。

Q4. 保湿とお薬はどちらが先?

たとえばステロイド外用薬と保湿外用薬が処方されている場合、一般的には塗る面積の広い保湿外用薬を先に塗り、後からステロイド外用薬を湿疹がある部位に塗ります。ステロイド外用薬を先に塗ると、後で塗った保湿外用薬によってステロイド外用薬を塗る必要のない部位にまで広がってしまうからです。
薬の種類にもよるので、医師の指示に従ってください。

Q5. 汗は悪いの?

汗をかくこと自体はアトピー性皮膚炎の悪化に関係しないと考えられます。むしろ汗には保湿作用もあるため、発汗量が少ないアトピー性皮膚炎の患者さんには汗をかいていただくほうがよいかもしれません。
ただし、汗はかゆみを誘発することがあるので、汗をかいた後は長時間放置せずにシャワーや入浴で洗い流すことが大事です。